リクルートsuumoにて2024年の住みたい街ランキングが発表されました。

横浜が7年連続で住みたい街の1位に選ばれるというとてもめでたい結果でございました。

さて、この横浜が住みやすい街であって、魅力的であることは一切否定しないのですが、そんなにずっと住みたい街の1位を維持するほどのか?というのはずっと抱いていた疑問でした。

横浜だけ集計方法がおかしくないですかね?ということを探ってみようという回です。

結果「何かおかしい」とあなたが感じられたとしても、横浜の魅力が変わるわけではありません。ただ、与えられたデータを鵜呑みにせずに自分自身の目で見て感じた事も大事にしましょうということを伝えたいというのが目的です。

2024年suumoの住みたい街ランキング

まずはリクルートsuumoが発表した2024年の住みたい街ランキングのTop10をまとめて、それらの街が今まで何位だったのかというのもまとめました。

2024年順位2023年順位2022年順位2021年順位2020年順位2019年順位2018年順位
1位 横浜駅1位1位1位1位1位1位
2位 大宮駅3位3位4位4位4位9位
3位 吉祥寺駅2位2位3位3位3位3位
4位 恵比寿駅4位4位2位2位2位2位
5位 新宿駅5位7位7位7位5位7位
6位 目黒駅6位6位5位5位7位8位
7位 池袋駅7位9位9位8位11位5位
8位 品川駅11位8位6位6位6位4位
9位 東京駅9位13位13位12位15位16位
10位 浦和12位5位8位10位8位10位
SUUMO住みたい街ランキング2024

横浜の人気恐るべしですね。

このランキングの少し腑に落ちないところを指摘していくわけですが、こういうランキングは「自分が住むことができる街」という基準も入ってしまっていたりします。

例えば「住みたいけど私なんかが六本木に住めるはずない」という考えがどうしても反映されてしまいます。今回はそういったところは一切無視しての考察であるということはご理解ください。

“街”なのか?”駅”なのか?

まずリクルートsuumoはこのランキングを「住みたい」として毎年発表しています。

しかし、ランキングの順位は「」になります。

横浜駅を中心として考えるとちょっと不動産に携わったり、横浜に住んでみようと調べたことがあったりする人であれば想像がつくかと思いますが、住むところとして捉える方は少数になるというのが現実です。

横浜駅の徒歩圏内の物件を実際に調べてみました。賃貸も売買も居住用であればすべて表示されるような検索にしています。

横浜駅徒歩5分圏内の居住用物件

緑色の蛍光色がかかっているところが徒歩5分圏内になります。結論ひとつも居住用物件の募集はありません。

もちろん募集中の物件数を見ようとしているので、人気だから空室がないだけなのかもしれないですね。

横浜駅徒歩15分圏内の居住用物件

徒歩10分圏内の検証も似たような感じになってしまうので一気に徒歩15分圏内にまで広げた結果です。

赤い丸やらオレンジ色の丸やら青い丸やらがあるのが、募集中の物件です。

これだけで何かがわかるわけではありませんが、横浜駅周辺の住むところの少なさというのは伝わったことでしょう。

横浜が選ばれる理由

続きまして、suumoジャーナルにて横浜駅が1位になった理由を見ていきます。

子育て強化

横浜は子育てに力を入れているということでそれは住みたい街として選ばれるにふさわしい取り組みをなさっているなと関心しました。

1位に輝いたのは「横浜」。7年連続の総合1位に加え、今回は「男女別・年代・ライステージ」すべてのカテゴリーで1位となりました。特に、子育て世帯(夫婦+子ども)のポイントが大きくアップ。若いファミリー層からの支持を集めています。

suumoジャーナル

注目施設が続々と誕生

その他にあげられる理由として注目施設がここ数年でたくさん誕生したという事が理由としてあげられています。

2020年から2024年にかけては、横浜駅・みなとみらい駅桜木町駅周辺で大型商業施設の開業やリニューアル、さらには映画館やプラネタリウム、ギャラリー、アリーナといったカルチャー・エンタメ施設も相次いで開業しています。

suumoジャーナル

ここが一番「おかしいでしょ?」と感じるポイントになるわけですが、施設が誕生しているのは横浜駅のみならずみなとみらい駅(19位)、桜木町駅(24位)周辺と明記してしまっているんです。

先ほどと縮尺を変えないようにとのスクリーンショットなので、あまり見やすい画像にはなっていないかもですが、みなとみらい駅と桜木町駅はともにギリギリ横浜駅の徒歩30分圏内に入るかという位置関係になります。

みなとみらい駅も住むことができるところは極端に少ないですね。

赤レンガ倉庫はさすがに横浜駅ではないでしょ

横浜駅が1位に選ばれた理由として便利な施設が紹介されているわけなのですが、赤レンガ倉庫のリニューアルも紹介されているんですよ。

緑の蛍光色から明らかにはみ出しており、徒歩40分くらいの位置関係になります。

(2022年12月リニューアル)。新コンセプトに「BRND NEW “GATE”」を掲げ、開業してから初めてのリニューアル。新規出店25店舗を含む66店舗がそろい、フードコートも拡充された

suumoジャーナル

東京なら徒歩15分で隣駅

表題部分ですべてを伝えてしまっているのですが、少し歩くのが早い人であれば、4位にランクインしている恵比寿駅から6位ランクインしている目黒駅の間を15分で歩くことができます。

2024年のsuumoの住みたい街ランキングでは11位だった渋谷から恵比寿駅までも徒歩15分です。

GoogleMapでの15分表記なので、一般の人の歩行速度でも15分で行けることでしょう。

埼玉県との比較

東京の一等地との比較はフェアじゃないと言われてしまうかもしれないので、対局に位置する埼玉県でも似たような比較を見てみます。

2024年の住みたい街ランキングで3位であった大宮駅から、21位であったさいたま新都心駅間はGoogleMapで徒歩25分表記です。

また、さいたま新都心駅にはさいたまスーパーアリーナという施設があります。そこまでは徒歩20分ほどです。

横浜駅からみなとみらい駅までは徒歩20分でした。

横浜駅人気の理由としてあらたに”Kアリーナができたことも挙げられています。そのKアリーナまでも徒歩15分ほどです。

住みたい街ランキングの調査方法は?

2024年の住みたい街ランキングの調査方法について調べてみました。

調査の対象者は9,335人で、2023年の11月13日~11月23日の間にのみ行われた模様です。

このランキングは首都圏に居住する方々を対象に、インターネット上で実施されたアンケートに基づいているとのことです。

回答者には、「住んでみたい街(駅・自治体)」について、上位3つを選んで回答してもらっているとのこと。

それぞれの選択には点数が割り当てられており、「1位=3点、2位=2点、3位=1点」となり、それらの点数を集計し、合計得点でランキングを作成しているそうです。

たとえば、ある年に「横浜」が10,000人の回答者の中で500人から1位に選ばれた場合、「横浜」は1,500点(500人×1位の3点)を獲得します。同様に、もし「大宮」が300人から1位と2,000人から2位に選ばれた場合、その得点は「大宮」にとって4,600点(300人×3点 + 2,000人×2点)になります。このようにして各街の得点を集計し、合計得点が高い順にランキングが決定されます。

この方法で集計されたランキングは、単に最も多くの1位票を獲得した街を示すのではなく、上位3位までの得点を総合して、より多くの人が住んでみたいと感じるエリアが反映されている形になる方法です。こうすることで、一部の人に非常に支持される街だけでなく、広く好まれるエリアの人気度を測ることができというわけなはずでなのですが。。。

回答者が”街”と”駅”を混同している?

横浜が7年連続1位になることにずっと違和感を感じていたので、「どんな集計方法なんだ?」とずっと疑問を感じていたのですが、リクルートsuumo側はとても正しい集計方法をしているなと感じました。(どの立場からの物言いなんだか。。。)

これは回答する側の問題なのであろうと感じています。

回答する側が、横浜の賑やかな街全体を捉えて横浜と回答した人が少なくないのであろうなと感じています。

住みたい市区町村ランキングだと大きく変わる

同じくリクルートsuumoがやっているランキングで「住みたい市区町村ランキング」というものもあります。

2023年のランキングになりますが、そのTOP10とここまで名前が出てきた、浦和、大宮と横浜市をピックアップしたランキング表です。

順位自治体名得点
1位東京都港区2671
2位東京都世田谷区2365
3位東京都渋谷区1851
4位東京都目黒区1761
5位東京都新宿区1580
6位東京都文京区1542
7位東京都品川区1499
8位東京都千代田区1459
9位東京都中央区1207
10位神奈川県鎌倉市1139
12位埼玉県さいたま市大宮区1002
15位埼玉県さいたま市浦和区870
16位神奈川県横浜市中区855
17位神奈川県横浜市西区852
SUUMO住みたい街ランキング2023

東京23区がほぼTOP10を独占するのと鎌倉はちょっと無視をして。。。

自治体比較になると、まずは横浜が、大宮駅のあるさいたま市大宮区と浦和駅のあるさいたま市浦和駅より下のランキングになります。

横浜市中区が横浜市西区より上

さいたま市比較よりも大きな違和感になるところは、同じ横浜市で横浜駅のある西区よりも、中区の方がひとつだけではありますが、上位にあるという点です。

例えばこういったランキングが全く別会社がやっているのであれば、この違いを違和感とは感じません。

しかし、同じリクルートsuumoさんのランキングでこの違いが生じているんです。得点方式を見るに、住みたい街ランキングの駅と同じ集計方法であるであろうと考えることができます。

まとめ

このランキングを見て、横浜が連続して住みたい街のトップに選ばれるのは、その多面的な魅力によるものですが、集計方法によっては結果に偏りが生じることも示唆されます。住みたい街ランキングは、ただの数字以上のものを反映しており、それぞれの地域が持つ独自の魅力や可能性を考慮することが重要です。私たち自身の経験やニーズに基づき、住む場所を選ぶ際は、ランキングはあくまでも参考として活用するにとどめましょう。

与えられたデータを鵜呑みにせずに自分自身の目で見て感じた事も大事にしましょう。