賃貸物件の管理や契約手続きには、通常、不動産会社が入居者を募る媒介業者として、入居後は賃貸管理会社が、関与することが一般的です。

しかし、不動産会社を通じずにオーナーさん自身が入居者と直接契約を行う方法も存在します。

管理会社の必要性について疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?

本記事では、賃貸オーナーが直接入居者と契約を結ぶメリットとデメリット、そしてその方法について詳しく解説します。

不動産会社を介さない賃貸借契約

確かに、賃貸物件のオーナーさんが直接入居者を募集し、契約手続きを行うことは可能です。

この方法を選ぶことで、オーナーは不動産仲介業者に支払う仲介手数料を節約することができ、費用削減につながります。

さらに、直接契約により、オーナーさんと入居者の間でより透明かつ柔軟なコミュニケーションが可能となり、双方のニーズに合わせた契約内容の調整がしやすくなるというメリットもあります。

ただし、自ら入居者を募り、契約手続きを行うことは、一定のリスクと労力を伴います。

契約内容の作成や法的な確認、入居者の審査など、不動産会社が代行している多くの業務を自分自身で行う必要があります。そのため、契約書作成や法的なトラブルに関する知識が求められます。

また、適切な入居者を見つけるためのマーケティングや広告戦略も自己責任で行う必要があり、これには時間とコストがかかる可能性があります。

したがって、直接契約を行う場合は、これらのデメリットと対処法を事前によく理解し、計画的に進めることが重要です。

直接賃貸のメリットとデメリット

オーナーさんが不動産会社を介さずに直接入居者を募り、契約関係の手続きを行う際のメリット・デメリットを表にしてまとめました。

メリットデメリット
仲介手数料の節約入居者探しの難しさ
柔軟な契約内容の調整契約手続きの手間とリスク
オーナーと入居者間の直接コミュニケーション適切な契約書の作成と法的な知識が必要
迅速な対応と意思決定マーケティングと広告戦略の自己責任
直接賃貸借契約のメリット・デメリット比較表

オーナー専用の募集サイトは微妙

suumoやアットホームやHOME’Sなどを不動産ポータルサイトと呼びます。

このポータルサイトで入居者を募るというのが現代の不動産賃貸仲介のWebでの集客の中心になっているということに異論を挟む余地はないと言えます。

これらのポータルサイトを使うには宅建業免許取得する必要があります。つまり不動産屋さんでないと使うことができません。

そんな中、オーナーさんが直接そういったポータルサイトを使うことができるようにとオーナーさん専用のポータルサイトがいくつかあったりします。

不動産屋として、「私たちのサービスを使ってください」という営業色を一切抜きにして「自分がオーナーだったらここは使いやすいかな?」と想像していくつかのオーナー専用ポータルサイトを見てみました。

結論どれもイマイチだなと感じました。

ウチコミ

日本最大の大家直接募集サイトを名乗るウチコミさん。

積極的に集客をして、メディア出演も豊富なようなのですが、サイトを徘徊して違和感を感じたのは。。。

“70%が管理会社と並行して募集”という言葉があることに違和感を感じます。

つまり、まだウチコミだけでは入居者集客ができるような体制にはなっていないというメッセージに私には読めてしまいます。

おそらくウチコミさん的には「不動産会社に依頼していても平気ですよ。並行してお使いください」という安心させたいという言葉なのでしょうが。。。

あとは、運営会社のウチコミさん自身が宅建業者の登録をされているのですよね。積極的に仲介を行うということはないのであろうとは思われますが、利益相反的な何かがありそうですし、掲載されている物件数を多くするために、そうしているのではないかと勘ぐってしまっています。

もちろん、口コミをひとつだけでそのサイトを判断してはなりませんが、実際にウチコミを使った方のコラム記事の紹介です。

これは楽待という不動産投資のポータルサイトのコラムなので、楽待を使った事がある方なのでしょう。

楽待を比較するとまあそうなるだろうなというのはウチコミのサイトを見て感じました。

問合せ数が最多なのは3月で閲覧数の約1.1%

内見希望が最多なのは9月で閲覧数の約0.8%

ウチコミさんにも、もっと閲覧数を増やすよう頑張って欲しいですね。

あ、タイトルにある総括を忘れてました💦

私のエリアでは、「反響を得るには相当の努力が必要」かと。

ウチコミ効果を総括した件

ECHOES(エコーズ)

ECHOESは、賃貸物件オーナー様の入居者募集をサポートするサービスです。”と書いていますが。。。このサイトは結局通常の不動産会社に依頼するのと変わらないです。

不動産会社に依頼したら、ポータルサイトへの入力は不動産会社の人間が行います。

それをオーナーさんが直接入力することで、「自分で募集をしている!」という感覚を味わわせているだけのサイトのように思えます。

物件を1件乗せると毎月3,300円かかります。これは通常通り不動産会社に依頼したら発生しない費用です。

さらには、成約した際には、最低で55,000円で、賃料の50%が成約報酬として必要となるということなのですが、これは媒介成約報酬が0.5ヶ月分支払うのと同じという形になります。

先ほどと同じく楽待のコラムで使ってみた感想あり、こちらは非常に前向きコメントをされています。

不動産会社に依頼して掲載内容が違ったりのストレスを与えてしまう事が多々あるとのコメントから、同業者として心から深くお詫び申し上げます。

私は何度となく仲介業者さんに掲載内容が違ったり微妙な写真を載せられたりでしたくもない連絡をしています。

あれってすごくストレスでした・・・それから解放されるんですよ〜〜!!

ECHOES(エコーズ)を使ってみた感想

自ら賃貸

大家さんと入居者が直接つながるというWebサービス自ら賃貸についてです。

運営会社が大東建託傘下のハウスコムさんというゴリゴリの賃貸仲介会社であるという点がとても気になりますが、大東建託傘下という事もありサイトの作り込みは大資本が入っているとさすがだなと感じます。

この自ら賃貸を利用するのはベテラン大家さんという点をしっかりと明記しているのは好ましいところです。

オーナーさんが自分自身でWebで賃借人を募集して、賃貸借契約書を作成してというのは親族などでない限りやはり難しいものです。

大東建託さんの集客として、まずは自分自身でやってみて難しいと思ったら相談してねという導線なのであろうなと感銘を受けました。

しかし。。。

大東建託さんが実証実験として開始したということらしいのですが、noteにて発信している自ら賃貸のフォロワー数が7ということを鑑みると、あまり明るい未来は待っていなさそうだなと感じるというのが正直なところです。

自ら賃貸の情報発信係の方のnoteもあるのですが、記事の更新もわずかで更新頻度も低く近い近しい将来には存在だけするサイトになってしまいそうな香りがしてしょうがないです。。。

まとめ

不動産会社を通さない直接契約は確かに一見すると経済的なメリットがあるように思えます。

仲介手数料の削減や、オーナーさんと入居者間での直接コミュニケーションにより、より柔軟でスピーディな対応が可能です。しかし、実際にはこの方法には大きなデメリットも伴います。

自らが入居者を募り、契約手続きを行うことは、多大な労力と時間を必要とします。契約書の作成や法的確認、入居者の審査など、専門知識が求められる作業をオーナーさん自身が担うことになります。

さらに、適切なマーケティングや広告戦略を自己責任で行う必要があり、これにはコストと時間がかかるものです。

AdwordsやSNS広告の運用の知識があればそれはご自身でやっていただくのがよいかとも考えましたが、運用してみると、不動産周りのクリック単価は異常に高いので結局最初から不動産会社に任せておけばよかったとなる可能性もあります。

これらのことを考えると、賃貸というビジネスにおいては、ポジショニングトーク抜きで、不動産会社に依頼することが望ましいと言えるでしょう。

経営者としては、お金を払って専門のサービスを利用し、その時間を他の経営活動に充てることが、結果的には賢明な選択となります。

賃貸経営は単に物件を貸すだけでなく、適切な運営が求められる複雑な業務です。そのため、専門的なサポートを得ることによって、オーナーさんはリスクを減らし、より効率的かつ効果的な経営が可能になります。最終的には、不動産会社を頼ることが、多くのオーナーにとって最も合理的な選択肢と言えるでしょう。