Q
不動産を賃貸に出す際に保険はどうすればいいのか?その保険(特に地震保険)について教えてください。
A

ご自身が所有者である物件を貸し出す際にも保険に加入することは強く推奨します。可能であれば地震保険にも加入しておくというのがよいですが、それらはキャッシュフローを見て許容できるリスクとそうでないリスクを比較して総合的に判断するのがよいでしょう。

「令和6年能登半島地震」により、大規模な被害が発生したことを深く悲しみ、被災された皆様に心からのお見舞いを申し上げます。この困難な時期に、皆様が一日も早く安心して日常生活に戻れることを心より願っております。

このような予期せぬ自然災害は、私たちに地震保険の重要性を改めて認識させられました。私たちにできる事はなんだろうと考えた時に、少しでも地震保険についての知識を広げることができればと、地震保険についての基本的な知識から、よくある勘違いを伝えてみます。

地震保険の保険料どこで加入しても同じ

「地震保険は高い」というのが一般的なイメージかと思います。ただ、高いからといって、地震保険だけの費用比較のために、様々な会社で見積もりを取るというのは全く無意味なこととなります。

なぜなら、地震保険は保険料補償内容も、どの保険会社から加入しても同じになるためです。

社会保障制度であるため

地震保険は”地震保険に関する法律“が基になっており、国と保険会社が共同で運営する保険であるためです。各保険会社が利益を得ることが目的としてはならない保険です。

保険料が同じとはいっても、金額が同じという事ではないです。不動産の所在地、建物の構造などによって国の機関が算定した料率を用いて算出するという意味合いです。

社会保障制度のひとつであり、国としてはもっと加入して欲しいという想いから所得税の所得から控除される地震保険料控除の制度があるというわけです。

地震保険単独加入はできない

地震保険に加入するための保険料は一律です。だからといって、「地震保険だけ加入する」という事はできません。必ずどこかの保険会社の火災保険に加入する必要があります。必ず火災保険とのセットで契約する必要があります。

地震で火災保険は無力化します

地震保険には加入していないけれど、火災保険に加入しているという方は大半でしょう。賃貸の賃借人は契約条件として加入が義務付けられていたりします。

地震保険に加入しない方の、よくある勘違いが「地震が直接的な原因でなく、そのあとの火事で被害が大きくなるから、火事なら火災保険入ってるから平気だろう」というものです。

地震を起因とした火災は補償対象とならないことは伝えましたが。。。

地震を起因とした場合、建物や家財の損害は火災保険だけではまったく補填されません。

これは阪神・淡路大震災の時には、火災による被害が、全焼6,965棟、半焼80棟にもなったというところの印象からかなと感じます。

東京で大地震が発生したら保険会社潰れないのか?

地震保険を適用しなければならない時に、保険会社の支払う保険料がとてつもない金額になるというのは想像できる事でしょう。東京都のみならず首都圏全体で地震保険を適用せざるを得なくなった時「保険会社の保険料では足りない」とよく言われます。これにより地震保険は加入しても無駄なのではないかという意見も多いです。

その結論まではわかりませんが、「かんたんには潰れないであろう」というのが一般的な見解です。

地震保険の保険料は一定額を超えたら国が、つまり日本が払うという形にはなっています。

1153億円までは保険会社が負担。

1153億円から4379 億円は、保険会社と国が50%ずつ負担。

4379億円から11.3兆円までは国が99.7%負担、保険会社が0.3%負担と国も負担をしてくれるためそのように言われているのでしょう。

「国にそんなにお金あるの?」に対しては、地震保険のお金が積み立てられていると言われています。

なお、2011年の311、つまり東日本大震災での支払い保険金は1兆2653億5900万円でした。

保険は建物と家財をわけて考える

ご自身が居住していた部屋を貸し出そうという方から保険についてよく質問をいただきます。「保険は今のままでいいの?」と。

居住前提であれば、”建物”にも”家財”にも保険を書けている状態になっている事でしょう。

“家財”とはTVや冷蔵庫、洗濯機などの家電製品やソファーなどに対する保険です。(貴金属など高級品は別で考慮する必要があります。)

部屋を貸し出したら賃貸オーナーさんは”建物”にだけ加入をしていれば十分です。”

“家財”に対しての保険は、賃借人が加入します。

結論としては、賃貸を貸し出す際には加入されている保険については一度見直しをされた方がよいでしょう。

まとめ

地震保険の重要性とその具体的な内容についてご理解いただけたことと思います。

地震保険は、予期せぬ自然災害による経済的なリスクを軽減するための重要な手段です。

特に、不動産を賃貸に出す際には、適切な保険の見直しを推奨します。保険は単なるコストではなく、将来の安心と安全を確保するための投資です。

もし保険に関してご不明点やご相談があれば、お気軽にお問い合わせください。

私たちは、あなたの貴重な資産を守るために、賃貸物件の保険についてのご相談など、どんな小さな疑問にも丁寧にお答えいたします。