「賃貸に出したら、どれくらいの期間で入居者が決まるのか?」
「自分の部屋は、どのくらいの家賃が相場なんだろう?」
「高層階や南向きの部屋だと、実際どれくらい家賃に差が出る?」
「間取りや面積、駐車場付きかどうかで、成約のしやすさや賃料はどれくらい違う?」
そんな悩みを、最新の成約データをもとに一つひとつ紐解き、徹底的に見える化しました。
「なんとなく」ではなく、根拠あるデータで不安や迷いを解消できるよう、具体的な情報をまとめています。
この記事を読み進めることで、疑問や不安が“見える数字”に変わり、納得感を持って次の一歩を踏み出せるはずです。
もう“賃貸で損した…”と後悔するかもという不安から開放されます。
ブランズタワー豊洲の成約単価グラフ
「1㎡あたりいくらで貸せているか」をグラフで見える化

項目 | 値 |
---|---|
件数 | 64件 |
平均 | 5,910円/㎡ |
中央値 | 5,883円/㎡ |
最小値 | 4,735円/㎡ |
最大値 | 8,830円/㎡ |
25%点 | 5,548円/㎡ |
75%点 | 6,237円/㎡ |
このグラフは、過去の成約事例をもとに「1㎡あたり、いくらで貸せたか?」(管理費も含めた総額ベース)の分布を可視化したものです。
縦軸は、各平米単価で成約した事例の件数を表しています。
横軸は、1㎡あたりの賃料(管理費込み)の金額です。
グラフの棒(ヒストグラム)は、それぞれの価格帯でどれだけ成約事例が多いかを示しています。
棒が高い部分は、その価格帯で多くの成約があったこと、つまりその価格で決まりやすかったことを意味します。
また、グラフ上の波線(カーネル密度曲線)は、全体の分布のなめらかな傾向を表しています。
山が高くなっている部分ほど成約が集中しており、相場の中心となるゾーンが分かります。
今回のデータでは、平米単価6,000円前後に最も成約が多く、このあたりが相場の中心となっています。
この物件では、管理費込みの平米単価はおおよそ5,500~6,500円/㎡の範囲に成約事例が多く分布しています。
特に6,000円前後が最も多いゾーンです。
一方で、7,000円台や8,000円を超える高額成約も一部に見られますが、件数としては少なめです。
逆に、5,000円未満や8,000円以上は例外的な安値・高値であることが分かります。
このサイトで使用したデータはすべてreinsから取得した情報です。国土交通省も成約事例として活用しているデータです。
また、賃料はすべて管理費、共益費も入れた金額にしています。
間取りごとにみる成約賃料と面積の関係
ブランズタワー豊洲|「どの広さの部屋が、いくらで成約しているか?」を可視化

このグラフは、各部屋タイプ(区分)ごとに「面積」と「成約賃料」の関係を散布図で可視化したものです。
点の色や凡例がそれぞれの「間取り」を表しており、「どんな広さの部屋が、いくらで成約しているか」を間取りごとに比較できます。
グラフを見ると、間取りごとの分布ゾーンが明確になっているのが特徴です。
1LDKはおおよそ40~50㎡、賃料は22万円~32万円前後に多く分布しています。
2LDKは55~70㎡、賃料は28万円~42万円前後に集中し、3LDK以上はさらに広い面積・高額賃料の帯で成約事例が見られます。
また、広い1LDKや狭い2LDKなど、標準的な面積帯から外れる“イレギュラー”な部屋も散布図ならひと目で発見できます。
面積が広くなるほど賃料も高くなりますが、単価(平米単価)はやや低下します。
同じ間取りでも面積や賃料にバラつきがあり、例えば2LDKでも60㎡台前半と70㎡近い部屋とで賃料が大きく異なることが分かります。
募集から成約までにかかる日数はどれくらいかかるのか?
ブランズタワー豊洲|間取り別・成約までの日数の分布

この箱ひげ図は、「各間取りごとに、入居募集から成約までにかかった日数」の分布を示しています。
間取り | 件数 | 平均日数 | 中央値 | 最短 | 最長 |
---|---|---|---|---|---|
1LDK | 28 | 約38日 | 39日 | 2日 | 87日 |
2LDK | 23 | 約45日 | 28日 | 10日 | 244日 |
3LDK | 14 | 約60日 | 31日 | (参考値:-2日) | 240日 |
箱の上下は成約までにかかる日数のおおよその範囲(中心ゾーン)を、中央の横棒は中央値(ちょうど真ん中の成約事例の日数)を表しています。
また、点(〇)で表示されているものは、特に長期の空室だった部屋などの外れ値(例外的なケース)です。
1LDK・2LDK・3LDKともに、成約までの日数の中央値はおよそ1ヶ月から1ヶ月半。
多くの部屋がこの期間内で決まっていることが分かります。
一方、平均値はこれよりやや高くなっていますが、これは一部に200日を超える長期空室の事例が含まれているためです。
特に2LDKや3LDKでは、ごく一部の長期空室が平均値を押し上げている傾向が見られます。
最短では、1LDK・2LDKともに10日未満で成約した例もあり、タイミングや条件次第で非常に早く決まることもあります。
なお、3LDKでマイナスの数値が出ているのは、いわゆる「囲い込み」と呼ばれる事例(募集前に水面下で申込が入っていたケースなど)が影響していると考えられます。
賃貸に出すなら、普通借家か?定期借家か?
ブランズタワー豊洲|間取り別にみた普通借家と定期借家の割合

今回の集計結果を見ると、1LDKでは普通借家契約が大多数を占めている一方で、
2LDK・3LDKといったファミリー向けの広めの間取りでは、定期借家契約が圧倒的に多くなっていることが分かります。
特にファミリー層向けの部屋(2LDK・3LDK)では、普通借家での貸し出しがほとんど行われていないのが特徴的です。
これは「将来的に自己利用に戻す予定がある」「一定期間だけ貸したい」というオーナー側の事情が影響していると考えられます。
定期借家だと決まりにくいのか?
「定期借家契約だと入居者が決まりにくいのでは?」という不安やご相談をよくいただきます。
この疑問に対して、実際の成約データをもとに、契約形態ごとにどれくらい成約までの期間や賃料に違いがあるのかを分析しました。

このバブルチャートは、各間取りと契約形態(普通借家/定期借家)ごとに、「平均平米単価」「平均成約までの日数」「成約件数(バブルの大きさ)」を同時に可視化したものです。
バブルが高い位置にあるほど賃料単価が高く、右側にあるほど成約までに時間がかかることを示しています。また、バブルが大きいほどそのタイプでの成約事例数が多く、主流タイプであることが分かります。
このグラフを見ると、普通借家の1LDKはバブルが大きく、平米単価も高い上に成約までの日数が短いことが特徴です。一方、2LDKや3LDKでは定期借家の割合が高く、バブルもやや右上に位置しています。つまり、定期借家は高単価で募集できるものの、成約までにやや時間がかかる傾向があると言えます。
グラフ上でも、普通借家は中央値27日、定期借家は42日で成約していることが示されています。実際に、定期借家契約の方が成約までの期間が長くなる傾向が見て取れます。
定期借家の場合の契約期間はどうする?
定期借家契約で貸し出す際、「何年契約にすればより有利に成約できるのか?」と悩まれるかと思います。
この分析は、契約期間の長さが賃料水準や成約状況にどのように影響するかをデータで確認するために行いました。

定期借家契約の場合「契約期間が長いほど、同じ間取りでも平均平米単価が高くなる傾向」が一定程度読み取れます。
特に2LDKや3LDKでは、5年契約のほうが2年契約よりも高単価で成約しているケースが多く、長期利用を希望する借主からいわゆる“プレミアム”が得られていることがデータでも確認できます。
一方で、1LDKでは契約期間ごとの単価差がそれほど見られない場合もあり、単身向けの部屋では契約期間よりも立地や設備、賃料そのものが決定要素として重視されていることがうかがえます。
階数ごとに、どれくらい賃料単価が変わるのか?
ブランズタワー豊洲|階数と賃料の関係

このグラフは、各所在階ごとに「平均平米単価(円/㎡)」がどのように推移しているかを、普通借家と定期借家のそれぞれで比較したものです。
一般的に、階数が上がるほど平米単価も上昇する傾向がありますが、一部の階(特に15階の定期借家)では、成約単価が極端に高い外れ値(イレギュラー)が見られます。
全体としては、低層階(1~10階程度)と比べて高層階(30階以上)になるほど「高層階プレミアム」とも言える単価の上昇が、普通借家・定期借家の両方で確認できます。
階数が上がると賃料はいくら上昇する?
高層階ほど賃料がどれだけ上がるのか、実際のデータから具体的な上昇率や傾向を把握するために分析しました。
部屋がどの階にあるかで、どれくらい単価の差が出るのかをイメージしやすくする狙いがあります。

このグラフは、各所在階ごとの平均平米単価(円/㎡)を、普通借家・定期借家それぞれについて散布図と回帰直線で可視化したものです。
グラフからは、階数が上がるほど平米単価も緩やかに上昇する傾向が読み取れます。普通借家では1階上昇あたり平均21.8円(約0.37%)、定期借家では11.7円(約0.20%)ずつ単価が上昇しており、特に普通借家のほうが階層による単価差がやや大きい傾向が見られます。
一方で、サンプル数が限られているため、特定の階で外れ値が混じったり、全体のばらつきが大きくなるケースも見受けられます。このため、あくまで参考傾向としてご覧ください。より多くの成約事例が集まれば、より正確な傾向分析も可能になります。
方角ごとの階数×賃料単価の違い
ブランズタワー豊洲|方角と階層でどれくらい賃料が違う?

このグラフは、バルコニーの方角ごとに「階数が上がるごとに平米単価がどれくらい変化するか」を回帰分析で可視化したものです。
分析の結果、東向き・北向きの部屋では、階層が上がるごとに平米単価が大きく上昇する傾向がありました(東向きで+0.64%/階、北向きで+0.53%/階)。西向きは+0.12%/階と緩やかな上昇にとどまり、南向きは階数を上げても単価はほぼ横ばい、あるいはわずかに減少する傾向(-0.12%/階)が見られました。
一般に「南向きプレミアム」が期待されやすいものの、今回の成約データでは南向き高層階で特別な単価アップは見られませんでした。
一方、東向きや北向きの部屋では高層階ほど単価アップが顕著であるため、「東向き・北向きの高層階」は高単価設定を積極的に検討できると言えます。南向きは階層を問わず安定した成約単価となっている点も特徴です。
駐車場付き物件はどれだけ賃料が高くなる?
そもそも駐車場付きが少なすぎるというのが、現在の湾岸エリアの賃貸物件の大きな問題です。
そこで、駐車場の有無が成約賃料にどのように影響しているかを実際のデータで確認するために、調べてみました。

普通借家:39件中、駐車場付き4件(10.3%) 定期借家権:26件中、駐車場付き4件(15.4%)という結果でした。
駐車場が賃料に与える影響

今回の成約データをもとに、駐車場の有無が平均平米単価(円/㎡)にどのような影響を与えているかを、契約形態ごとに比較しました。
結果として、駐車場付きの部屋はどちらの契約形態でも単価が高くなっています。
定期借家権では、駐車場付きの部屋が6,511円/㎡、駐車場なしの部屋が5,735円/㎡。
普通借家でも、駐車場付きが6,502円/㎡、なしが5,883円/㎡となっており、差額は定期借家で約776円/㎡、普通借家で約619円/㎡です。
この差をパーセンテージで見ると、駐車場付きの部屋は、駐車場なしの部屋に比べておよそ10~14%ほど平米単価が高い傾向となっています。
駐車場が付いている部屋は賃料を高めに設定しやすいことがデータからも明らかという結果でした。
特に都市部やタワーマンションのように供給が限られる物件では、駐車場付きの希少性がより賃料に反映されやすいと考えられます。
まとめ
ブランズタワー豊洲の成約事例をもとに、平米単価の分布や間取りごとの賃料帯、成約までにかかる日数、契約形態や階数・方角・駐車場有無と賃料の関係について詳細に分析しました。
今回のデータでは、相場の中心は6,000円前後/㎡。1LDK・2LDK・3LDKいずれも成約までの中央値は1~1.5ヶ月で、多くの部屋がこの期間内で決まっています。
ファミリー向けの広い部屋では定期借家契約が主流となり、また高層階や東向き・北向きの部屋では単価が上がる傾向も明らかです。
駐車場付きの物件はごく少数ですが、賃料が10~14%ほど高くなることもデータから読み取れます。
今後ブランズタワー豊洲を賃貸に出す場合、ご自身の部屋の条件(間取り・階数・方角・駐車場など)がどのゾーンにあたるかを把握し、実際の成約データを参考にした賃料設定や募集戦略を検討してみてください。