自宅を賃貸に出したいけれど、設備が壊れたらそれを修繕しなければならない・・という点に不安を感じられているオーナー様も多いかと思います。そんな不安を感じられている方に対して、修繕義務を最低限にするための秘訣の一つをお伝えします。

「設備」と「残置物」の違い

これまでに賃貸物件に入居したことがある方は、契約書類の中にこのような表があるのを見たことがあるのではないでしょうか。

「設備」とは、物件に元から設置されているものや、貸主が入居者のために提供する物のことを指します。これらは物件の一部として貸し出されるため、故障や破損が生じた場合の修理責任は通常、貸主の負担となります。

⚫︎設備の具体例

☑️ エアコン

☑️ 給湯器

☑️ ガスコンロ

☑️ 浴室乾燥機

☑️ 温水洗浄便座  など

一方「残置物」は、貸主もしくは前の入居者が撤去せずに残していった家電などのことを指します。

例えば、入居者が自費で取り付けたエアコンを残して退去した場合、このエアコンが壊れた時までも貸主の負担で修理・交換をするというのは少し納得がいかないかと思います。
この場合、エアコンは「残置物」に該当します。

こういった残置物のエアコンが故障した場合、その修理費用を借主負担とすることができます。

もちろん借主に修繕義務があるわけではないので、貸主側としては、「必要であれば自分で修理・交換してね。」という姿勢でいることができるようになります。

残置物のエアコンの修繕義務は貸主にないとした事例

少し古い情報にはなりますが、「残置物のエアコンの修繕義務が貸主・借主どちらにあるか」を問題にした裁判事例があります。

残置物エアコンの故障に対する修理義務の所在

契約書には明記されていなかったものの、重要事項説明書に「修理は借主が行う」と記されており、借主がこの説明に署名したことから、修理義務は借主にあると結論づけられた事例です。

残置物にしたほうが良いもの

他にもこんなものを残置物にしたほうが良い、という例をお伝えします。

床暖房は残置物一択

床暖房の修繕を行ったことはありますか?想像していただける通り、床暖房の修繕はフローリングを剥がすところからやらなければならないので、大変な費用負担となってしまいます。
また、もしも誰かが生活しているときに修理をするとなれば、置いてある家具を全て移動させ、修理期間中はその場所が使えなくなるので、現実的ではないでしょう。

それに対して、入居者が床暖房で得ることができるメリットというのは、エアコンや電気カーペットなどを使えば賄うことができるもので、あれば嬉しいけれどもなければ生活ができない、というものではありません。

賃貸経営の支出リスクを減らすためにも、床暖房は残置物とすることを推奨します。

照明器具も残置物推奨

後付けしたシーリングライトなどを、残しておけば便利だろうとそのまま残していかれるオーナー様も多くいらっしゃいます。

照明の電球切れ程度であれば、それは「軽微な修繕」として賃借人がメンテナンスで行うべきことになるため、照明のトラブルというと具体例があまり浮かばないのですが、
本来照明器具は入居者が自分で準備をしても良いものなので、残置物とすることを推奨しています。

エアコンの残置物は疑義

エアコンの残置物が疑義となる理由は、大きく2つあります。

①前入居者が残したエアコンを残置物とする場合の問題

先ほど「前入居者が残したエアコンを残置物とし、壊れた際の修理費用は借主負担にできる」とお伝えしました。確かにそうなのですが、エアコンを交換しなくてはならない場合は少し細かなことを考えなければなりません。

残置物であっても、その所有権は貸主、つまりオーナーであるあなたのものになるのです。

一般に「残置物」といわれている物は、従前の借主がその所有権を放棄したものであるから、それを占有している貸主がその物を次の借主に使わせる(処分する)ということは、貸主がその物の所有権を取得しているものと考えることができる

残置物エアコンの故障に対する修理義務の所在

何が言いたいかといいますと、借主負担で新しいものを買うのはいいけれど、じゃあ元のエアコンの処分代は誰が支払うの?という問題が出たりします。
また、退去時のエアコン清掃費用は?入居者の日頃のメンテナンス義務は?など考えなければならないことが色々と出てきます。

そのため実際の現場では、「借主が自らの負担で設置したエアコンは、退去時に撤去し原状回復するものとする」というような文言が契約書に入っているケースを多く目にします。

②貸主(オーナー)が残したエアコンを残置物とする場合の問題

「家にあるエアコンが古く、近々壊れる可能性が高い。そのため残置物にして貸し出したい。」というご要望をオーナー様本人からいただくことがあります。
残置物として貸し出すことはもちろん可能なのですが、借主側からしてみれば、エアコンが壊れた時に貸主負担で修理・交換してもらえない、というのは物件を借りる際にためらう理由となり得ます。

私たちいえどきでは、設備が壊れた際の修理・交換代の保証をお得な値段でつけられる設備保証プランをご用意しています。設備として貸すか残置物として貸すか、まずは私たちにご相談ください。

残置物にできないもの

念の為、「さすがにそれは残置物にできないだろう」というものもお伝えします。代表例は給湯器です。給湯器が壊れるとお湯が出なくなりますから、お風呂にも入れなくなります。

このように、トイレやキッチン、洗面台など、日常生活に必需品となる基本設備は残置物にできない、と考えていただくと良いかと思います。

残置物のデメリット

先ほどエアコンの例でお伝えしたように、「残置物」は借主にとってはやや不利なものとなります。

床暖房や照明器具などはほとんどの物件で残置物扱いとなっているため、そのせいで契約をしない、ということになる可能性はほぼないですが、エアコンや温水洗浄便座などが残置物になっていると、「こんなに家賃を払うのにどうして貸主が修繕義務を負わないのか?」と疑問に思う借主も少なくありません。

不動産会社の中には、あれもこれもと残置物に推奨する会社もあるようですが・・それが原因で契約直前に破談になった、という例も見たことがあるので、何を設備とし、何を残置物とするのかのバランスが大切かと感じます。

まとめ

賃貸経営での支出リスクを減らすため、「残置物」として扱うことができるものがいくつかあります。
上に記載したもの以外でも「これは残置物にしたほうがいい」というものもあるので、迷われる場合はぜひ一度ご相談ください。

一方で、希望の家賃で早く貸し出すためには、何を残置物にしないか、という選択も大切になります。

個人の意見にはなりますが、「入居者が快適に生活できるように」という気遣いがあった方が、入居者も室内をオーナーさんのものという意識でキレイに使ってくれて、退去時までお互いに気持ちよく取引できる可能性が高くなるのではないかと感じています。

重ねてにはなりますが、オーナー様が安心して貸し出せる設備保証プランなどもご用意していますので、まずは私たちいえどきにお気軽にご相談ください。